のれんのデザインを刺繍で表現する 

従来より、のれんはお店の顔として商店や飲食店などの入口に掛けられる看板として使われることが多く、
そのデザインの多くは店名や企業ロゴなどが顔料やインクによって染められています。
特に本染めののれんは表のデザインが綺麗に反転し、裏から見ても楽しめる表現として人気です。

そんな中、今回京都のれん株式会社では、2023年6月29日より
刺繍を両面に施したのれんのオーダー受付販売を開始しました。

刺繍のれん

これまで刺繍は、裏面から見ると糸の粗さがよくわかってしまうことから
のれんのデザインには適さないという課題があり、非常に高級感があり
立体的でありながらも、実現することができませんでした。

しかし京都のれん株式会社はそんな課題に取り組み続け、京都の帯や着物に
横ぶりミシンで刺繍を施している職人の方と協力して試行錯誤を重ねた結果、
両面刺繍の実現に成功しました。

これは業界初の取り組みであり、先取ってオーダーすることで
他店との差別化を図るためには絶好の機会ではないでしょうか。

当社が実現した刺繍の施されたのれんは、まず表面の刺繍が非常に立体的で美しいだけでなく、
裏から見ても綺麗に見えるという特徴があります。

職人が染料や力加減を調整しながら一枚一枚丁寧に刷毛で染めている本染めと同じように、
お店から出られるときに裏から暖簾をみてもデザインが綺麗に見える為、
最早看板の域を超えた芸術作品としても素晴らしい効果を発揮します。

両面同じ糸で刺繍をするのは、通常の下糸を使うよりもかなり高度な熟練度が必要となります。
今では技術の発達により、コンピュータミシンによってデータ通りのデザインを刺繍することは可能です。
しかし、職人の手と足の感覚を頼りに縫われる横ぶりミシンでは、更なる繊細な表現を実現しています。

繊細な表現

そのため同じ柄を再現しようとしても全く同じものは作り出せず、
正に世界で唯一無二の独自の魅力を持った作品となります。

職人の技術が光る作品としての両面刺繍のれん

横ぶりミシンの刺繍は、職人の技術と感性が結晶化された美しさと存在感を放っているのです。

そんな素晴らしい技術であることから、販売先や提供先が限られているため、
今回私たちは一緒に試行錯誤を繰り返し、共創し、この度両面刺繍のれんを作り上げました。

両面刺繍のれん

実際に刺繍のれんをその目で見て頂ければ、その技術の素晴らしさをご理解いただけると思います。

両面刺繍を施したのれんの企業ロゴや文字・デザインなどは、これまでの染色では表現できていなかった
高級感や独自性を演出しています。そのため、糸の立体感や光沢感によって、特に間近で見る人に
強い印象を与えます。

また、通常呉服などでは刺繍糸には絹糸が使われますが、今回のれん用に
人絹(レーヨン)糸を使うことで、汚れにくく洗濯もできて、耐久性が高く長期間使用することも可能です。
両面刺繍のれんの製作は、高度な職人技によってひとつひとつ丁寧に作り上げられます。

また、京都のれん株式会社では、現状の技術では難しいナイロン糸の金糸や銀糸に関しても、
両面刺繍が可能となる技術の開発に取り組んでいます。
伝統と技術を重んじながら、より独創的な製品を提供し続けられるよう、邁進してまいります。

■京都のれん株式会社の特殊商品一覧